名大工 化学・生物工学 分子化学工学
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化学工学とは


社会を支える創成技術

生活に役立つ化学製品を作り出すための最も効率の良いプロセス(つくりかた)はなんだろう。どんな装置を使って(作って)どのように運転すればよいのだろう。こんな疑問に答えるための学問として、「化学工学」が20世紀の初頭に誕生しました。電気や機械製品を作るのに比べ、化学物質の生産では、ある一つの目的に対して設計されたシステムが、簡単に他の物質の物質生産に使える点が大きな特徴です。扱う物質が変わっても、同じ考え方に基づいた装置やシステムの設計ができるように進歩した結果、化学工学の対象は、生物が行う複雑な反応や超LSIのための微細構造の制御といったものから地球規模の二酸化炭素の動向まで大きく広がっています。

技術者の役割は、社会の要望に応えて科学の知識を有用な製品の創製に生かすことにあります。環境を考えたものづくり、効率的なエネルギー利用、情報技術の高度利用が求められる現在、化学工学の役割はますます大きくなっています。

名大が目指すケミカルエンジニア

分子化学工学は、さまざまな要素技術の関係を整理し、総合的に調和させて有効なプロセスをつくるという、従来の学問分野の枠を超えた幅広い工学体系を持っています。そのため、卒業生は化学工業のみならず、機械、電子、航空、宇宙、食品、医療、材料、情報とあらゆる産業で活躍しています。ミクロ、ナノ領域を制御する新しいプロセス開発が現在多くの産業で求められており、複雑な現象を総合的に理解して制御するための分子化学工学が力を発揮します。

物質・情報・エネルギーの変換プロセスに関する高度かつ横断的な学識をもとに、科学技術の社会に対する責任をふまえ、豊かな国際感覚、先見性および指導力をもって未知の問題の発掘と解決にあたるケミカルエンジニアの育成を目指しています。

分子化学工学教員・卒業生・学生からのメッセージ

【教員から】

  • 化学反応を意のままに操ることはすべての産業の基本です。科学の専門的な知識だけではなく幅広い分野に興味を持った人に「分子化学工学」は最適です。
  • 地球環境が悪化しつつある今日、環境を考慮した技術体系の構築に、次世代を担う諸君の活躍が期待されています。
  • 人類最大のチャレンジは、新物質・新素材の創造である。勇敢にチャレンジして欲しい。分子を組み合わせて創る新しい材料は、君たちの無限のチャレンジを待っている。

【卒業生から】

  • 実際に仕事につくと、機械ではなく化学ばかりでもない両方を組み合わせた境界領域の問題に多くぶつかります。分子化学工学で学んだ知識や方法論が役立ちます。これからの高度技術社会では、より精密な学問が要求され、分子化学工学の卒業生が強く望まれます。

【学生から】

  • コースを選ぶとき「分子化学工学」は具体的イメージを持ちにくかったが、専門授業を聞くようになって、広い分野に適応する考え方が身につく学問であることがわかった。物理、化学、材料、機械、電気、コンピュータ等多くの科目を学ぶので、自分のやりたいことが「分子化学工学」のなかに色々あることがわかってきた。