材料の組織と特性解析に対する計算工学的手法の開発
Phase-fieldモデリング

 近年、原子・分子シミュレーションおよび有限要素法等に代表されるマクロ設計シミュレーションは計算機の高度化に伴い実用的な域にまで進展している。以上の中間スケール(およそ数nm,〜1mm)は通常、材料組織学が対象とする領域であるが、このスケールにおける多様な材料内部組織形成の強力な計算手法として近年、Phase-Field法が整備されてきている。さらに平衡状態図に関する熱力学的データベースも広く充実し、実際の材料開発に定常的に利用されるようになりつつある。特にPhase-Field法はこの平衡状態図の化学的自由エネルギー関数を組織形成計算に直接使用できる計算手法であるので、両者を統合することによって、現実の材料に対して相安定性解析と組織形成ダイナミクスを同時に定量的に扱うことが出来る体系を実現できる。以上のように現在、一連のスケールにおける材料計算手法がほぼ出揃った状況下にある。
 本研究の最終目標は、合金の熱力学的データベースとPhase-Field法を軸足に、実用を念頭に置いた材料の組織形成に関する計算工学的手法の構築を目指すとともに、相および組織形態の計算データと材料特性の関連性を理論および経験的に定量化することによって、計算機支援による特性解析・予測への道を拓くことにある。


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令和元年 12月25日(水) 更新