名古屋大学大学院工学研究科 材料デザイン工学専攻 小山・塚田研究室(計算組織学研究グループ)

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研究紹介

計算理論・各種資料

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材料組織シミュレーション

磁気記録材料の組織形成

 Fe-45at%Pt合金の923KにおけるFePtナノグラニュラー組織形成の計算結果です.島状の部分がFePt相で,黒色と黄色がそれぞれ不規則状態と規則状態を表しています.FePt相のサイズの増大に伴い規則化が進行する様子が再現されています.
T. Koyama, H. Onodera, Materials Transactions, 44, 1523-1528 (2003).

磁気記録材料の組織形成

強誘電体の分極ドメイン組織形成

 強誘電体BaTiO3の298Kにおける構造相転移の2次元計算結果です.黒い部分が立方晶,色のついた部分が正方晶です.正方晶のc軸方向が分極モーメントの方向に対応します.構造相転移における弾性拘束や分極モーメント間の双極子-双極子相互作用の影響を受けて分極ドメイン組織が形成する様子が再現されています.
T. Koyama, H. Onodera, Materials Transactions, 50, 970-976 (2009).

強誘電体の分極ドメイン組織形成

原子力燃料棒の界面反応相の安定性

 1次元計算により,原子力燃料棒のUO2 (Fluorite)/β-Zr (Bcc)界面における反応相の安定性を解析した結果です.温度は1873Kとし,反応相として液相(L)とα-Zr (Hcp)相を想定しています.解析には平衡状態図の熱力学データベースや各元素の拡散係数を用いています.現在,この手法を昇温過程に適用することで,燃料棒の液相化温度の推定を試みています.
Y. Nishida, Y. Tsukada, T. Koyama, M. Kurata, Journal of Nuclear Materials, 466, 551-559 (2015).

原子力燃料棒の界面反応相の安定性

Mg合金の長周期積層構造

 Mg-Y-Zn系の573Kにおける組織形成の2次元計算結果です.hcp相の二相分離組織形成(図a)やhcp相中の積層欠陥にYやZnが偏析した場合の組織形成(図b)を解析し,この系で観察されている長周期積層構造の形成メカニズムの解明を試みています.
K. Narita, T. Koyama, Y. Tsukada, Materials Transactions, 54, 661-667 (2013).
T. Koyama, Y. Tsukada, K. Narita, Materials Transactions, 56, 937-942 (2015).

Mg合金の長周期積層構造

Ni基超合金の高温クリープ中の組織変化

 Ni基超合金の1273Kにおけるクリープ中の(γ + γ′)組織変化の3次元計算結果です.図の上下方向に160MPaの引張応力がかかった場合を想定しています.原子拡散によって,立方体状γ′相が異方的に粗大化する様子(上図)や,組織変化の際にひずみ速度が局所的に増大する様子(下図)が再現されています.
Y. Tsukada, Y. Murata, T. Koyama, N. Miura, Y. Kondo, Acta Materialia, 59, 6378-6386 (2011).
Y. Tsukada, T. Koyama, Y. Murata, N. Miura, Y. Kondo, Computational Materials Science, 83, 371-374 (2014).

Ni基超合金の高温クリープ中の組織変化

鋼のマルテンサイト変態における組織形成

 鋼のγ (fcc) → α′ (bct)マルテンサイト変態における組織形成の3次元計算結果です(計算領域522×522×522 nm3).変態に伴う塑性変形(すべり)も同時に解析しています.色のついた領域がα′相であり,正方晶のc軸方向が異なる領域(バリアント)を色で区別しています.複数バリアントからなる組織が成長しながら変態が進行する様子が再現されています.
Y. Tsukada, Y. Kojima, T. Koyama, Y. Murata, ISIJ International, 55, 2455-2462 (2015).

鋼のマルテンサイト変態における組織形成

材料特性計算

組織形態情報を用いた磁気ヒステリシス計算

 フェーズフィールド法により得たFe-45at%Pt合金のFePtナノグラニュラー組織をベースに,外部磁場を80kOeから-80kOeまで変化させたときの磁気モーメント場の変化を計算した結果です(左図).磁気モーメントが右方向(赤色)から左方向(青色)へ反転する過程が再現されています.また,外部磁場方向の磁気モーメント成分を積分することにより,磁化過程における磁気ヒステリシスを得ることができます(右図).
小山敏幸, まぐね, 3, 564-571 (2008).

組織形態情報を用いた磁気ヒステリシス計算

分極ドメイン組織変化に対応した分極ヒステリシス計算

 強誘電体BaTiO3に交番電場を作用させたときの分極ドメイン組織変化の2次元計算結果です(左図).正方晶のc軸方向(分極モーメントの方向)が異なる領域を色で区別しています.外部電場と分極ドメイン間に作用する双極子-双極子相互作用の影響で,赤色のドメインが縮小する様子が分かります.また,外部電場方向の分極モーメント成分を積分することにより,組織変化に対応した分極ヒステリシスを得ることができます(右図).
T. Koyama, H. Onodera, Materials Transactions, 50, 970-976 (2009).

分極ドメイン組織変化に対応した分極ヒステリシス計算

改良セカント法に基づく応力-ひずみ曲線計算

 単相の応力-ひずみ曲線が既知である前提のもとに,二相組織の応力-ひずみ曲線を算出した結果です.まず,フェーズフィールド法を用いて形態が異なる組織を用意し,その組織をベースに応力-ひずみ曲線を計算しています.左右の計算結果を比較すると,析出相の形態が応力-ひずみ曲線に影響を及ぼしていることが分かります.
T. Koyama, ISIJ International, 52, 723-728 (2012).

改良セカント法に基づく応力-ひずみ曲線計算

3次元材料組織制御

時効析出型Mg合金における析出物形態

 時効析出型Mg合金において,六方晶の(0001)αに垂直な板状析出物(左図)が分散強化に有効です.右図は,弾性ひずみエネルギー計算に基づき,(0001)αに垂直な板状析出物が生成するための変態ひずみの条件を明らかにした結果です.析出相の格子定数の設計を通じて析出物形態を制御するための指針になると考えられます.
Y. Tsukada, Y. Beniya, T. Koyama, Journal of Alloys and Compounds, 603, 65-74 (2014).

時効析出型Mg合金における析出物形態

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